カスリーン台風 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/カスリーン台風#埼玉県・東京都の大洪水葛飾区への被害拡大
しかし、水は「櫻堤」に堰き止められてどんどんと溜まる一方であり、これが決壊すれば東京都葛飾区は全域が一気に濁流に飲み込まれる事となる。そこで、東京都知事安井誠一郎は内務省国土局河川課および埼玉県知事西村実造、千葉県知事川口為之助らと協議の上、隣の江戸川右岸提を爆破して江戸川に水を逃がす事を決定。GHQへの報告を経て米軍工兵隊が現場に急行するが、思いのほか堤防は頑強で爆破は失敗してしまう。そうしているうちに、19日未明ついに「櫻堤」が崩壊。その日のうちに金町、柴又など葛飾区の江戸川に近いエリアはもちろんのこと、隣の江戸川区の小岩付近まで水没した。
19日午後3時ごろようやく爆破が成功し、「櫻堤」付近の水は江戸川へと流れ始めたが、同じころ南埼玉郡八條村(現在の八潮市)で中川の右岸が決壊、綾瀬川の東側も水没する。そして20日午前3時に亀有付近でも堤防が決壊し、夕方には立石・四ツ木付近まで浸水する。金町方面に流れた水は、20日夕方には江戸川区船堀付近に到達し、新川へと流れ込んだ。江戸川区南部を東西に流れる新川の存在によってようやく濁流は東西に分けられ、荒川や旧江戸川を経て東京湾へと注ぎはじめた。